翌年小学校への入学を控えたご家庭が通る道、就学時健康診断(就学時健診)…。
発達障害や知的障害、身体障害など障害のあるお子さんの親御さんにとって、なかなかのハードルではないでしょうか?
私が息子の年長時の就学準備で一番イヤだったのが、この就学時健診でした。

毎日のように「就学時健診 つらい」「就学時健診 行きたくない」「やりたくない」などとネット検索しては、ため息をつく日々でした…。(T_T)
就学時健診ではどんなことをやるのか?
就学時健診の障害児への対応は?
このページでは、就学時健診の内容と我が家の顛末について記録したいと思います。
この記事は、私が経験した当時(息子の年長の年)の体験談です。就学時健診への対応は、地域や年によって変わってきています。近年は、相談すればすぐに配慮を受けられたり、無理に受けなくてよかったりと、以前より柔軟になってきているようです(地域差があります)。
もし不安があっても、ひとりで抱え込まず、まずは学校や就学相談の窓口に相談してみてくださいね。
\ 我が家の就学相談の経過は、以下の記事をご覧ください~ /


就学時健診通知書が届いた
年長の9月の末、市町村の教育委員会より「就学時健康診断通知書」が届きました。


就学時健康診断とは、学校保健安全法に基づき、翌年度の就学予定者に対して行われるものであること。通学区域の小学校にて、健康診断を受けるように…との内容が書かれています。
この通知書が届いた頃の我が家は、息子に「特別支援学校の判定が出た」との連絡を担当者から受けた直後でした。保護者の希望通りの結果です。
つまり、息子は特別支援学校への入学=地域の小学校へは就学しないことがほぼ決定していました。
就学時健診行きたくない!その理由は
さて、冒頭に書いたとおり、私は就学時健診に対してかなり重荷に感じていました。
理由は色々ありましたが、当時の息子の以下のような状況からです。^^;
待てない
当時、息子はかなりの多動児でした(今もですが)。短時間で見通しが立つ場面では待てないこともないのですが、初めての場所ではまず落ち着かず動き回ります。
しかも就学時健診は内科・眼科・耳鼻科・知能検査など…いくつもの検査を1日で行う長丁場です。
児童数も多い学区だったので、並んでは検査し、次の検査に行ってはまた並び…を何回も繰り返すのはかなりの難題でした。



ちなみに、息子は3歳児健診のときも、個別に医療機関を受診し、最低限の検査に絞って実施していただいています…。
診療拒否
就学時健診では内科・眼科・耳鼻科・歯科・聴力・視力などの検査が行われます。
息子はいずれの診療科もかかりつけ機関で定期的に受診していましたが、特に耳鼻科・眼科・歯科は器具を使うこともあって、息子は毎回大暴れでした。



当時一番大変だったのは耳鼻科で、先生・私・看護師さん4人の6人がかりで診療していました。
聴力検査は、重度障害かつ「聴こえた」「聴こえない」の意思表示もできないため、一般医療機関では測定不能。
視力検査は、4歳の頃から少しず~つ練習を重ねてきて、2年かかってようやく「どうやらそこそこ見えているらしい」と分かってきた(でも数値はまだ出せない)という状況でした。
学校での一発勝負でやる検査に、どれほどの意味があるのか…。
また、就学時健診で失敗してしまったら、今は何とか出来るようになった診療も、再び本人の拒否反応が強くなってしまうかもしれない…。
地域のお子さんたちや、小学校の先生方の前で、困難な場面になることを分かっていながら実施に臨む勇気が私にはありませんでした。
パニックで予測のつかない行動が出てしまう
息子の就学時健診に不安を感じる一番の理由は、パニックになったときに予測のつかない行動が出てしまうことでした。
強い不安や混乱でいっぱいになると、物を投げたり、近くにいる人を押してしまったり、明後日の方向へ走り出したりといったことがあったのです。いわゆる「他害」「脱走」と呼ばれる状態です。
本人も苦しいのですが、何より相手のお子さんや親御さんのことを思うと本当に申し訳なく、胃が痛む思いでした。だからこそ、人が集まる場所が本当に怖かったのです。
トラブルが起きやすいのは、「人が大勢、それぞれに動き回っている場所」でした。
みんながひとつの行列に並んでいたり、席に座って動かなかったりするときは大丈夫なのですが、ガヤガヤとそれぞれが勝手に動く場面だと、息子は何が起きているのか分からず、突発的に動いてしまうのです。
そして、就学時健診はそのような場所に似た状況でした。



就学時健診では、慣れない場所で、見守りは母親の私ひとり…。息子が混乱して、よそのお子さんをケガさせてしまったらどうしよう…。
これが、何をおいても一番不安で気がかりなことでした。
障害児の就学時健診について問い合わせてみました
やらなければいけないものなら仕方ないけれど、できれば負担を減らしたい。
通知書を読むと、「健康診断受診にあたり必要な配慮がある場合は、就学支援担当者にあらかじめ相談するように」と書かれています。
また、特別支援学校の入学を予定している場合は、支援学校で就学時健診を受けることはできないのかな?という素朴な疑問もありました。
通知書が届いた9月下旬、すぐに問い合わせをしてみました。
就学相談担当に問い合わせ
息子の就学相談の担当者に、支援学校に就学を予定している場合の就学時健診の取り扱いについて聞いてみました。返答は、
内々に支援学校への入学が決まっていたとしても、全員が住所のある学区の小学校の就学予定者名簿に名前が載っています。
基本的には名簿に載っている小学校で受けていただきます。
どのような形で実施するか(免除するかどうかも含めて)は、各小学校の校長先生の判断になります。
まずは、学区の小学校に問い合わせてみてください、とのことでした。
特別支援学校に問い合わせ
息子の就学希望先の特別支援学校にも、ちょうど別件で問い合わせる機会があったのでついでに聞いてみました。
就学予定のお子さんたちを集めて、当校で集団健診を行うことはしていません。
就学予定のお子さんの健康状態は、入学相談の面接の時に個別に確認します。
とのこと。
心身ともに様々な状態の子が入学するので必ず個別に確認するけれど、それは特定の健診日を設けて実施するものではない。ということでした。
特別支援学校の性格を考えたら、それもそうかといった感じです。
ただ…お答えくださった先生の個人的な体感としては、
支援学校は学区が広く色々な市町村から入学してくるので、就学時健診を経て来る子もいれば、免除されたという子もいて、実態も色々だとのことでした。
結局のところ、「直接、学区の小学校に問い合わせる」という結論です。
支援学校で就学時健診を受けられたらベストだったのですが、当地ではそれが夢物語と知った当時の私は、「問い合わせつつも、できれば免除に持っていけないかなぁ…」と思い始めていました。
小学校に就学時健診の交渉をする
通知書が届いて数日後、10月に入ってすぐの平日に、学区の小学校に電話をしました。
一人っ子障害児を育児している私にとって、初めての地域の学校とのコンタクトです。ドキドキ。
「就学時健康診断のお手紙が届きました。息子は障害があるので、ご相談したいです。ご担当の先生をお願いします」と話して繋いでいただくと、養護の先生が対応してくださいました。
就学時健診の流れは?
まず、我が家の学区の小学校での就学時健診の流れをお聞きしました。
この小学校の就学時健診は、午前午後の2部に分けて一日がかりで健診を行います。
午前中…学校の先生たちが実施する検査
午後…医師の先生の診察
となっているとのこと。
【午前】※学校の先生が実施
1.視力検査
2.聴力検査
3.知能検査(簡易)
【午後】※医師が来校して実施
4.内科健診
5.眼科健診
6.耳鼻科健診
7.歯科健診
例年は、子ども達だけで10人ほどのグループになり、高学年の子に誘導してもらって移動する形
ですが、私が問い合わせた年は、全員保護者が付き添い、親子単位で移動する形とのことでした
保護者は、例年は別室で待機するそうですが、私が問い合わせたその年は、全員が最後までそばで付き添う形になるとのことでした。
つまり、各健診の会場は、常に親子がそろって、それぞれに動く形。
息子がいちばん苦手な「人が大勢入り乱れる状況」に、近いように感じました。
障害児の就学時健診の対応は?
全体の流れが分かったところで、障害児の就学時健診の対応について尋ねました。
学校としては、できる限り実施しようと考えています。
基本的に全員に実施することになっているので…とのこと。
まじめ…!(T_T)(それが、お仕事ですもんね)
やらなくて良いですよとは言えないけれど、できるように支援はしたいと考えています。
どんな支援があれば良いですか?
といったことを聞かれたので、以下のような要望を伝えてみました。
結局のところ、学校で先生たちに助力をお願いしつつも、基本的には通常通り1日ですべての健診項目をこなすしかないという結論でした。
小学校側に心配ごとを伝える
就学時健診での個別配慮が現実的に厳しいと分かったところで、選択肢は「何とか実施するか」「免除を頼み込むか」の2択になりました。
私から養護の先生に「どんな点で心配しているのか」ということをお伝えしました。
1.人の多い状況でパニックを起こしやすい
→全員が親子1組で参加だと会場に大人も子供も入り乱れることに→パニックの可能性が高くなる
2.他害の恐れがある(ここを特に強調して伝えました)
→パニックを起こすと他害が出る可能性がある。大人が複数いても防げない場合があり、トラブルが生じた時に責任が取れないのではないかと心配
前項に書いたとおり、思うことはたくさんあったのですが、この場ではあくまで簡潔に、上記の2点に絞りました。
会場の運営に支障をきたす・他者に危険が及ぶ可能性があることが心配という点のみです。



「親としては、他のお子さんにケガをさせる事態だけは防ぎたい」と伝えました。
学校側も、安全面の懸念を伝えたところでかなりシリアスに受け取ってくださり、「協議して報告します」との返事をいただき、電話を終了しました。
電話口での先生の応答にはかなり共感してくださっている印象を持ちましたが、基本的に全員実施の原則である以上、あまり期待もできません。



自分の心配な気持ちだけはきちんと伝えて、ダメだったら仕方ない。
息子にも頑張ってもらって、なんとか受けよう…。
気分的には半泣きでしたが、就学時健診当日のスケジュールだけは調整して連絡を待つことにしました。
就学相談担当に泣きつく
市内の他の学校の対応は?
小学校からの連絡を待つ間、市内の他の学区の複数のお友達に、就学時健診の進捗を尋ねてみました。皆、同じ市内在住、そして我が子と同じ支援学校を希望しているお家です。
すると、返ってきたのは…我が家とはずいぶん違う答えでした。
基本的に、全員に実施。
個別の配慮は難しく、通常どおり1日がかりで全項目をこなすしかないとのこと。
小学校に電話したら、その場で校長先生に繋がり就学時健診免除になった。
調査票(就学時健診のときに提出する書類)だけ郵送してくれれば、健診は欠席で良いと言われた。
同じ市町村・同じ教育委員会の管轄なのに、この違い。
本当に、小学校によって対応が違うんだと実感した出来事でした。
我が家の息子の大変さをよく知るお友達に、「市内でこれだけ皆免除になってるんだから、就学相談にもう一度相談してみたら?」と背中を押してもらい、再度電話することにしました。^^;
就学相談担当に再び電話
就学相談の担当の先生に、2回目の電話をしました。
通知書が届いたときの最初の電話では「学区の小学校に問い合わせて」と一度言われていたため、
今回の電話では
学区の小学校に問い合わせた結果(基本的に全員実施で、安全面の懸念は「協議して報告します」との返答だったこと)
市内の他の学校では、免除になっているお家が複数あること
最近の息子の様子(パニックで予測のつかない行動が出やすく、他のお子さんにケガをさせてしまわないか心配なこと)
といった点をお話ししました。
翌日、担当の先生から連絡がありました。
小学校の校長先生に直接、お子さんの件を伝えました。
基本的に免除になる方向です。
学校に情報が行き渡るには少し時間がかかるので、明日以降、学校に確認の電話を入れてみてください。
急転直下…!!
直接あれこれ交渉しても動かなかった就学時健診が一転、免除の方向へ…
とはいえ、まだ「決定」ではなく「方向」です。学校への確認も残っています。
そわそわしながら、翌日以降を待ちました。
就学時健診の免除が決定
免除決定とのこと
2日後、小学校に電話すると、再び養護の先生が応対されました。
すでに話が通じており、すぐに電話口で「免除になりましたよ」との結果が告げられました。
息子の入学予定の学校(支援学校)と、当小学校の校長同士の話し合いで決着した。
支援学校側は、入学後の学校健診で対応するので就学前の健診は不要と言っている。
就学時健診の調査票の提出も不要。家庭で破棄して良い。
ということでした。
免除が決まったときの気持ち
就学時健診の通知書が届いてから、免除が決定するまでおよそ10日ほど。
そこまで思い詰めていたつもりもなかったのですが、免除の一言を聞いた瞬間、感情があふれてしまい、電話口で思わず泣いてしまいました。笑



よかったです…!
私…息子が誰かをケガさせたらどうしようって思って…!(見苦しく泣く)
今思い返しても恥ずかしいです。^^;
先生もびっくりされていましたが、
お母さん、すごくご不安だったんですね…(T-T)よかったですね…!
やさしい言葉を掛けて慰めてくださいました。
この電話にて、我が家の就学時健診は終了(始まらなかったとも言う;)しました。
まとめ
就学時健診をめぐる我が家の顛末を、とりとめもなく書き留めました。
- 就学時健診の対応は小学校による
→同じ市町村内でも対応にばらつきがあることも - 困ったら相談
→就学相談担当や小学校に、心配な点をピンポイントで伝える
→めげずにアタック
息子は支援学校に入学し、春の学校健診も支援学校のフル配慮のもとに全て滞りなく終え、無事に学校生活を送れています。
就学時健診はお子さんの健やかな学校生活のスタートのために大切なプロセスですが、障害のあるお子さんやそのご家族にとっては、負担が大きいことも多々あります。
学校の先生方や教育委員会など関係機関の方々の、柔軟な対応を得られますよう祈っています。







