【息子と偏食】食べられないのはなぜ?偏食の症状と特徴まとめ

障害児育児・療育

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現在小学生の我が息子。
発達障害・知的障害の子によく見られる通り、かなりの偏食児です。

幼児の頃は、本当に食べられるものが少なくて苦労しました(今は多少ましになっていますが、それでもまだ食べられるものは少ないです)。

大変だったのは、偏食があることを周囲に分かってもらうときのための説明です。

とりもと
とりもと

無理に食べさせることがないように、何がなぜダメなのか

自分なりに観察して周りにお伝えしていました。

(息子が自分で言えたらいいのですが、今でも難しいので。。。)

  • どんなものを嫌がっていたか
  • なぜ食べないのか?
  • 考えられる背景・原因は?

今は食べられるようになったものもあれば、未だに食べられないものもあります。
振り返りつつ、まとめてみました。

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視覚からくる偏食

息子は視覚優位の自閉症+聴覚障害のため、日ごろ情報のほとんどを目から得ています。

視覚が強いことはいいことですが、息子の主治医の先生曰く、目から余計な情報までたくさん受け取ってしまって、恐怖で動けなくなる子もいるとのこと。

息子も食事に関して、見すぎるがゆえに以下のような症状があります。

偏食その1:白と黄色以外の食材は危険信号

イラスト:いらすとやさんより

野生の本能(?)として、色の鮮やかすぎるものは食べ物じゃない判定&体に毒だと思うようです。(息子は”毒”という概念が分かるわけではないですが、反応はそんな感じ^^;)

果物の鮮やかなカラーは言語道断。野菜も毒々しく見えて恐怖。
甘くておいしいはずのチョコレートも、黒っぽい色がとても口に入れて良い色には見えない
好きな食べ物でも、焼き色やお焦げなどでちょっとでも危険そうな色がついていると疑惑の目。

白いものや、100歩譲ってうっすら黄色いものしか安心して食べられません。
そうすると、大体食べられるのはご飯などの主食のみになります。

息子が食べられたのは白米・パン(白いもの)・うどん・フライドポテトのみでした。
おかずZERO。塩をかけたご飯をおかずにご飯を食べる。ザ・白。

偏食その2:「つぶつぶ」はホラー

イラスト:illust STAMPOさんより

息子は食べないだけでは飽き足らず、食卓に出すだけで絶叫して逃げ出す食べ物がありました。

その一つが、「つぶつぶした見た目のもの」です。ものすごいグロテスクな映像に見えるらしいです。

(↓食事中の方ごめんなさい↓)

細かな粒の一粒一粒が目に飛び込んできて、虫のようなものがうごめいているように見えるそうです…(後に、カタコトの手話で「虫」と言っていました…)。
それは怖い。

ふりかけ、ごましお、かつおぶし(特にトッピングで掛けてフワフワでもしてたら最悪)、胡椒、イチゴの表面の種なんかも恐怖。

白飯しか食べないので、理由に気づくまで
ふりかけでもかければ少しでも栄養取れそうなのに…と、手作りふりかけを作っては息子をさらなる恐怖の谷底に突き落としたりなどしていました…。ごめん。

偏食その3:具が混ざる料理もホラー

イラスト:illust STAMPOさんより

ふりかけと同じ理由で、野菜炒めや煮物を見るのもダメでした。
味がどうとかいう以前に、様々な色・形の具がごちゃごちゃ混ざっている見た目が恐怖映像だったらしいです。

親にとっては何の変哲もないおかずで、しかも本人には出さず親だけが食べている時にも怯えるので、原因に気づくまでしばらくかかってしまいました。

本人に見えない位置に、こっそり深い器に盛って置いてもダメ。
「ギャー!」(そこにあのグロいのがあるだろ!出すな!的な感じ) となるので、
症状が強かった時期は、食卓に一切出せず、親もおかずを食べられませんでした…。

後に、具を分解して(例えば野菜炒めなら人参・ピーマン・肉など単品ごとに小皿に分ける)置くと、自分の視界から遠ざけつつも食卓に出すのを許してくれるようになりましたが^^;
それまでは、ご飯のみ食卓に置いて、親はおかずを各自キッチンに行って頬張ってくるシステムでした笑。

偏食その4:顔つきの幼児向け食材もホラー

最近の幼児食によく見かける、可愛いキャラクターを模した食材
キャラクターの顔やクマさんやパンダさんなど動物の顔などが、お子さんのテンションを上げるアレです。

こういう感じのです↓

とっても可愛らしくて、作る方もモチベーションが上がるのでつい買いたくなってしまうのですが、息子にとっては天敵でした。

なにかの顔らしきものがホラーらしいです。(笑顔でもダメ^^;)

食卓に出すと、「怖い」と言って部屋の隅に逃げて、動けなくなってしまっていました。
ハロウィンのカボチャのような、お化けみたいな顔に見えるのかも?しれません。

当時の息子は他人とも目が合いにくく、「顔」というものの情報量の多さに翻弄されていた時期だったように思います。

今はだいぶ平気になり、食べてくれることも増えましたが、それでも食事前に「怖い顔が混ざっていないかどうか」の表情チェックを入念にしています。笑

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触覚からくる偏食

偏食その5:「カリカリ」以外はNG

偏食のお子さんでよく聞かれる話だと思うのですが、揚げ物など「カリカリ、サクサクした食感のものしか食べない」。
うちの息子も例外に漏れずそうでした。

初めて食べられたおかずは、カラっと揚がった唐揚げでした。
が、時間が経っていたり、レンジで加熱したりして、しっとり湿ってしまったものは食べられず吐き出していました…。
カリカリした食感を保つために、何でもトースターでこんがりさせたり、油分を気にしつつ揚げたりしていました(しかし、後述しますが手作りもまたNGでした…^^;)。

比較的食べられるはずの白いものでも、食感によってはNG
うどんは食べられるのに、同じ麺類でもそうめんのあの細い1本1本がたくさんある感じも何故かダメで、吐き出していました。

他、お肉など噛むとグニッとした感触になるもの、「とろ~り」としたもの(カレーやほとんどのソース類など)、「ぬるぬる」「ボソボソ」「ほくほく」なども苦手で、未だに食べられないものが多いです。

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嗅覚からくる偏食

偏食その7:少しでも慣れない匂いのものはNG

耳(聴覚)からの情報がほぼ得られず、目(視覚)からの情報はあふれすぎてしまう息子。
そんな息子にとって、鼻(嗅覚)は、数少ない信頼できる情報源です

息子は5歳くらいの頃に匂いで探索することを学習し、オモチャでも何でもよくクンクンと匂いを嗅いでいました。

食事の時も、慣れない食べ物はまず鼻先に持っていって匂いを嗅ぎ、少しでも変だなと思うと一切手を付けませんでした。
お菓子など、食べたらおそらく気に入るだろうという味のものでも、匂いで門前払いなのが残念。

一番困ったのが、お弁当でした。

あのお弁当特有の匂いがダメ(気にならない人は本当気にならないんですけどね)で、
どんな好物を詰めてもお昼に食べることができない。

デイなどに預けるときに、食事が摂れないのはかなりのネックです。
先生方も色々提供の仕方を工夫してくださったのですが、腹ペコで体力が保たず、お昼をまたいで預けられないこともありました。

お弁当については本当に小さい頃から困ったので、後日別記事にまとめようと思います^^;
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味覚やこだわりからくる偏食

偏食その7:手料理NG、市販品万歳

本人の好物でも、必ず食べてくれるかというとそうでもありません。

自閉症や知的障害のある息子にとって、「味の予測がつかない」というのは大変なストレスだったようです。

味のばらつき厳禁

手作りの料理は、どんなに気をつけて作っても、素人の私の腕ではどうしても毎回仕上がりの差や味のばらつき、火の通りの違いなどが出てしまいます。
「思っていたのと味が違う」でパニックになったり、吐き出したりしてしまったことも多々ありました。

塩味しか信じられない

複数の調味料が混ざった複雑な味も恐怖で、手料理の時は特に「とにかく塩味」。塩味しか信じられない。
一時期息子は食卓塩を握りしめ、塩を雪のように降らせながら食事をしていました(病気が心配!)。

安定の市販品

手料理に対して、冷凍食品などの市販品は、よほどのことがない限りほぼ毎回安定の味です。
今日は味付けが薄いかもしれない母の手料理よりも、絶対この味と分かっている市販品の方が、息子にとっては安心の食糧でした。。。

ただ、市販品も、本人が気に入った味のものでないと受け付けなかったりするので(←これは、こだわりの影響もありますね)、
数年間、特定の銘柄の市販品のストックを切らさないよう買い回る日々を過ごしていました。

とりもと
とりもと

障害児育児あるあるですね・・・^^;

偏食その8:温度の違いに敏感

味だけでなく、料理の温度もかなりのつまずきポイントです。

子どもらしく熱々の食べ物が食べられないのはもちろんですが、かといって冷めたものは味や食感の感じ方が全く変わってしまうらしく、受け付けません。

好きなおかずを、「わーい」と口に放り込んだ次の瞬間に吹き出す
 ↓
好きなおかずが本人の中で「油断ならない食べ物」格下げ
 ↓
以後警戒して食べなくなる

・・・といった流れで、食べられていたはずのおかずをいくつも失いました・・・(涙)。

偏食その9:新しいものへの不安

発達特性によるものだと思いますが、息子は何事も「新しいもの」「見慣れないもの」がとても苦手です。

新しいものを見ても、「これ何だろう?」とはならずに、
「わっ、何これ怖い・・・」となってしまいます。

知っている食材でも、いつもと違った調理法だとNG。
明らかに好きな味のお菓子でも、いつもと違う食べ方だとNG。

もしかしたら、外の世界の情報を知る手立てが人より少ない息子にとっては、
目の前にある目新しい料理が「食べ物なのかどうか」ということも、心の底からは確信できていないのかもしれません。

偏食その10:食べられたものも一度嫌な経験をしたら今後NG

色々なことが分からないながらに、おっかなびっくり世間の波を渡っている息子。
人より不安が強く、ネガティブな経験がより記憶に上書きされやすいです。

たとえ好物だった食べ物でも、
ちょっと温度がいつもと違った。
ちょっと焦げてた。

などなど…
たった一回のミスが、「この食べ物は危険」判定につながってしまいます。

息子の一例を挙げると…↓

卵焼きが食べられるようになり好物になった

私、喜んでお弁当のおかずにも入れてみる

お弁当の卵焼きがトラウマとなり、再び卵焼きが食べられなくなる

次に食べられるようになったのは2年後…

といった感じです。

良かれと思ってしたことが、息子を崖から突き落とすことになり、再び息子が崖から這い上がってきてくれるまで長い時間を要する、という…(涙)。

とりもと
とりもと

これは一度食べられていただけに、

自分の安易な行動を悔いて相当落ち込みました…。

息子の感覚をつかむまで、食べられる物が新しく増えては減り…という失敗を、何度となく冒してしまいました。

本人にとってはいつも薄氷の上を歩いているような感覚ですから、無理もないことです。
周りも、経験を広げてあげることがなかなか難しく、後退を恐れて及び腰になってしまいます。

そうして…
親子でいつまでも毎日同じ物を食べ続けるという結果になってしまっていました。

  • 「成長のために、食べられるものを増やしていく」
  • 「安心のために、今食べられているものを守る」

この2つのバランスがとても難しいな…と思うところです。

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まとめ

ひとことに息子の偏食といっても、様々な要因や現象がありました。

「偏食」と言うと子どもの好き嫌い程度に受け取られてしまうことも多いのですが、
本人の様子をそばで見ている者として「到底そんなレベルじゃない」と思う親御さんがほとんどではないでしょうか。

経験上、感覚によって起きている偏食の場合は、今すぐあれこれ手を講じても逆効果なことが多いです。
本人が食べ物そのものをホラーに感じている時期は、
親がよかれと思ってしたことも、子どもにとっては信頼する大人に後ろから刺されたみたいに感じさせてしまい、結果親子ともに苦悩を増してしまうこともあります…(反省)。
かといって、食卓で苦痛そうにしている我が子をそのままに見続けるのも、それもまた辛いことですが…。

成長とともに、
「大丈夫」と感じる五感の感覚の幅が広がったり、
味の表現が言葉で分かって見通しがつくようになったり、
周りの友達がおいしそうに食べている姿を見て勇気づけられたり、
こだわりが他の対象に移って和らいでいったりで…
少しずつ少しずつ、息子も食べられるようになってきました。

が、まだ今も怖くて隠れてしまう料理はあります。

ホラー体験を重ねないように、今をなんとかやり過ごしながら、少しずつ食事を楽しめる「いつか」の日に向かっていけたらいいなと思っています。

↓偏食のどん底であえいでいた時に読んで精神統一していた本です(笑)
支援者向けの本ですが、家庭でも参考になることが沢山あります。
本人に対して「見守る」「何か手を打つ」のバランスを考えるのにとても勉強になりました。
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私が息子の偏食関連でここまで来るのに行った対応策や、失敗策(汗)などは、後日別記事にまとめたいと思います。

↓どんな声掛けをしたらいいのか悩んでいたときに、偏食関連で最初に読んだ本です。
息子がどう困っているのか、親子でどうやって食事に向き合っていけばいいか…
偏食の知識ゼロだった、自分の視点を見直すきっかけになりました。
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